流る 流る 彩ずる時をただ ただ 飛ばず鳴かずと花は 淡く 暮れど世に経(ふ)る枯れることも忘れかげり寂し道の辺(みちのべ)月は明かりを何時から なびく髪を照らした僕は君の手を取り囃(はや)し賑わいへと駆け出す「ねぇ、君の声をきかせてよ」袖を揺らし吹き抜ける言葉「あなたがほしい」声に紛れて 乱れ咲いた不知火(しらぬい)巳(み)の時を過ぐ 命を束ねて夢の調べも 冴(さ)ゆる蒼(あお)に焦がれる七夜月(ななよづき)の戯(たわぶ)れ祭囃子(まつりばやし)が猛り神楽笛(かぐらぶえ)の音と 君の無邪気な声が弾む夢を結ぶような時儚く色褪せては 解けてく時が満ちて「もう帰らなくちゃ」と沈む闇へと誘う君の影「鬼の国へ」花は無情にも 枯れることを忘れ鳥達は世を忍び川へ沈む急(せ)いては已(や)めて 戸惑う風は泣いて七夜月(ななよづき)が来たる「ここでお別れ」君を知らないままやがてゆおびかな日々が目を覚ます声に紛れて乱れ咲いた 不知火(しらぬい)巳(み)の時を過ぐ 命を束ねて夢の調べも冴(さ)ゆる 蒼(あお)に焦がれる幼い手の君も花は無情にも 鮮やかさを背負い鳥達はまた 高さを競わされ急いては已(や)める 自由な風も消えて七夜月(ななよづき)が醒める